同名漫画的真人 「伊賀のカバ丸」に続いて製作されたジャパン・アクション・クラブ総出演によるアクション・コメディ テンポのいい明快な作品でプログラム・ピクチャーの楽しさを味あわせてくれる 高校生には見えないキャスティングが特徴だが中でも一番年配じゃないかと思える山口良一が原作のキャラクターを見事に再現していたりする 真田広之と志穂美悦子のオバカ演技が見られる数少ない作品でもある 私立鶴ヶ峰学園は生徒数5万5千人敷地は380万平方メートル構内をモノレールが走るマンモス学園 極端流空手部部長・コータロー黒崎輝こと新堂功太郎の長髪は学園の条例違反で生徒会風紀委員の天敵 コータローの幼なじみで風紀委員の渡瀬麻由美千原麻里もコータローを追い回す 業を煮やした生徒会長山口良一はコータローの髪を切ったクラブに予算百万円を出すという懸賞金をかける というわけでタイトルバックには生徒たちがハサミを持ってコータローを追いかけるミュージカル・シーンが展開ところがコータローは自分で髪を切ってしまう ただし極端流空手部は部員がいないためクラブとして認められないという日本舞踊部部長にして風紀委員長・吉岡達也真田広之の機転のため予算は下りなかった 学園ニューミュージック・コンテストに潜り込んだコータローはハゲの歌で風紀委員機動隊隊長にして剣の達人・天光寺輝彦大葉健二を挑発天光寺の剣でコータローが髪を切ったのはイカサマとばれるが天光寺は感電させられ鼻にコンセントを挿して電灯をつける電気人間と化してしまう 鶴ヶ峰学園には影の組織・蛇骨会が存在した会長・紅バラ志穂美悦子目障りなコータローと天光寺を始末する気でいた 最初の標的コータロー部下である剛部流空手部が道場に連れ込み百人組み手で倒そうとする コータローは圧倒的強さでなぎ倒すがカメオ出演の原作者・蛭田達也には土下座 99人を倒して残すは部長のみとなるがコータローもさすがに限界必殺技・玉つぶしでかろうじて勝利を得た ここで話を中断して原作第二部ムーア公国・クララ姫留学のエピソードをサワリだけ無理やり挿入映画全体のバランスを崩している気がするが鈴木監督は何がなんでも金髪少女のスカートめくりを演出したかったのかもしれない 原作の第二部は「カリオストロの城」のオマージュともなっている力作だがここではたいした事件も起こらず国王の急病でクララ姫が帰国蛇骨会のエピソードが再開される 蛇骨会の自称ナンバー・ワン・ムチ使いの砂土屋俊平伊原剛が麻由美を人質にとって時計塔にコータローをおびき出す 仮面の蛇骨会雑魚戦闘員を倒しながら塔を登るコータロー天光寺も助っ人に駆けつけた 時計機械室で砂土屋たちと対決ナイフで刺されながらも倒す 姿を現した紅バラはコータローを麻由美の元に案内する 紅バラはコータローを蛇骨会の後継者にしようと考えていた だが誰にも命令せず命令されず自由に生きるがモットーのコータローは話を蹴る 今度は襲いかかる紅バラなんと紅バラのもう一つの姿は吉岡だった 吉岡は学園の表と裏両方を操ることによって秩序を保とうとしていたのだ 腕ずくでもコータローを従わせようとする吉岡はフェンシングで激しく攻撃する その頃気のふれた砂土屋は時計塔に火を放っていた 侵入してきた煙のためコータローと吉岡の対決は決着のつかないまま終わる コータローは麻由美を抱えて時計塔の屋上から池にジャンプ脱出に成功した コータローは日本舞踊部に乗り込み吉岡に詰め寄るがとぼけられてしまう その頃コータローの髪にかけられた賞金は二百万円に上がっていた 余談その一=吉岡達也は真田広之のための映画オリジナル・キャラクターもともとJACファンだった蛭田達也が気に入って原作第三部から登場させついには最大の敵として命がけで闘うまでになるなかなか珍しいケースではないだろうか 余談その二=原作者・蛭田達也のこれまでの作品は「コータローまかりとおる」「新コータローまかりとおる/柔道編」「コータローまかりとおるL」コータローとともに人生を歩んできた観のある偉大な人物と思う 余談その三=黒崎輝は当時けっこう人気があり主演俳優が逮捕された「瀬戸内少年野球団/青春編」にピンチヒッターとして出演したりしていたが若くして引退沖縄でスキューバ・ダイビングのショップを経営しているらしい大葉健二はなんといっても「宇宙刑事ギャバン」が代表作家業を継ぐため故郷に帰ったとも伝えられていたが「キル・ビル」のキャストに名を連ねているさすがはタランティーノ コータローまかりとおる
展开